スポーツ

中高生が起こしやすい「スポーツ障害」


毎日の部活、運動は楽しいですか?試合直前の練習時に痛みや違和感があっても、試合に出たいばかりについ無理をしてしまうことがあるかと思います。成長期は骨や関節が柔らかいために、過度の負荷や過度なトレーニングの繰り返しはスポーツ障害の原因になります。スポーツの常識、戦術は日々進化しています。ちょっとした痛み、違和感をほおっておけばパフォーマンスにも影響してきます。そうした痛み、違和感、フォームの変化などを見逃さずスポーツ障害を予防しましょう。

スポーツ障害とスポーツ外傷の違い


  • スポーツ障害とは

 身体に過度の負荷が繰り返しかかったり、オーバーユース(使いすぎ)によって痛みなどの症状が現れる。早期に 対処しないと重症化し、関節変形、痛みがすぐに再発したり背骨などが分離して治らなくなったり日常生活にも支障が出てくることがあります。

 

 ・スポーツ外傷とは

 

 瞬間的に大きな外力によっておこるもの。骨折、脱臼、捻挫など。

 

区別せずにスポーツ障害とスポーツ外傷を総称してスポーツ障害と呼ぶ場合もあります。

中高生がスポーツ障害を起こしやすい理由


中高生のような成長期は、骨が成長し、筋肉が追いかけるように身体は成長していきます。この時期の骨は、骨の両端が軟骨になっていて、骨端線と呼ばれる部分から骨が伸びていきます。骨、関節は成人と違い構造的に弱く、強く圧迫されたり、引っ張られたりすることを繰り返すと、損傷したり変形したりして障害が起きやすくなるのが特徴です。

予防のポイント


  • ポイント1

ウォーミングアップ

 スポーツ障害を未然に防ぐためには準備運動が必須です。筋肉や関節を柔軟にします。また、体温、代謝を上げます。静的、動的ストレッチ、ジョギング等行い、身体を温めることを意識しましょう。ストレッチは、反動をつけずに伸ばされている筋肉を意識してゆっくり行いましょう。

 

 ・ポイント2

 

クーリングダウン

 運動によって興奮した身体を鎮めて疲労回復を促す効果があります。急激に運動をやめてしまうと身体によくありません。軽いジョギングやウォ―キングなど少しずつ動きを止めてストレッチやアイシングを行いましょう。

 

 ・ポイント3

 

過度な練習

 中高生のスポーツ障害はオーバーユース、身体の使い方が上手く行えないことによって起こることがほとんどです。痛み、違和感があれば練習量を落とすことも必要です。

 

 ・ポイント4

 

体格にあった練習

  成長スピードや体格の個人差は中高生は特に大きく、年齢ではなく発育に合わせた指導をすることで障害は予防できます。身体ができていないうちは、瞬発性を高めたり身体の使い方を覚えたりすることも必要です。

 

         ストレッチについて

 

 

 

   ストレッチの目的と効果

 

 目的

 

  柔軟性を高める(筋肉と関節可動域)。

 

   日常生活で同じ動作が繰り返されたりすることで筋の柔軟性に偏りが出始めます。

 

   柔軟性を高めることは、同時に関節可動域を高めることを意味します。体中の筋の柔軟性が高ければ、動きが制限されることなく、広い関節可動域を得ることができます。

 

 

 

傷害の予防。

 

 運動前後に行うストレッチは、準備運動、整理運動として行われます。運動前はウォーミングアップに含まれ、動きながら行う「動的ストレッチ」が向いています。動的ストレッチを行うことで、心拍数や血流量を増加させ体温をゆっくり上げながら関節可動域を広げていきます。

 

 運動後のストレッチは動きを伴わず20秒間伸ばし続ける「静的ストレッチ」により、緊張が残っている筋をリラックスさせていきます。運動後のストレッチはクールダウンとも言われ、運動時に収縮―弛緩を繰り返し緊張状態が続いている筋肉を、体温や心拍数の低下に合わせて時間をかけてゆっくりと弛緩させます。運動前後に適切なストレッチを行うことは障害の予防に必要不可欠となります。

 

                                                           ストレッチの注意点

 

   ・呼吸をとめない。

 

   ストレッチを行っている最中は自然に呼吸を続けます。呼吸を止めると身体は緊張状態になり、筋肉が硬くなるために、十分に筋肉を弛緩させることができなくなってしまいます。また、呼吸を止めることで血圧が上がるなど身体に負担がかかることがあります。ストレッチ中は鼻と口を使って細く長く呼吸をしながらリラックスした状態で、気持ちよく筋をストレッチしましょう。

 

   ・反動をつけない。

 

   ストレッチ中は勢いや反動をつけずにストレッチの対象になる筋肉を少しずつ伸ばします。筋肉は急激に伸ばされると、筋断裂などの障害を防ぐために、筋紡錘が働き、反射的に筋肉を収縮させます。その為反動をつけながらストレッチを行うと、反対に筋紡錘の働きにより筋肉が収縮し、柔軟性が低くなる恐れがあります。

 

   

 

   ・無理をしない。

 

   ストレッチは気持ちいい範囲内で行います。柔軟性が低く硬い筋肉の場合、ストレッチを行うと痛みを伴うことがあります。ストレッチで痛みがある部位を過度にストレッチしてしまうことをオーバーストレッチといい、筋肉を傷める原因になってしまいます。痛気持ちいい程度で行うと最も効果が得られやすいでしょう。

 

 

 

   ・ストレッチしている筋肉を意識する。

 

   ストレッチしている筋肉、すなわち、伸ばしている筋肉を意識することで神経と筋肉、関節、靭帯等の調和を取ることができます。伸ばしている筋肉を意識することが大切です。

 

ヒロでは


痛みや違和感がある部位に対して、関節、筋肉の柔軟性、関節を曲げる筋肉、伸ばす筋肉のバランス、または左右の筋肉のバランスを評価し、それぞれの問題点を挙げ柔軟性の改善、身体の使い方、運動指導、必要であればテーピング等を行います。